双曲線

２０年程前から縺れて交わらない２本の線がある。


とある酒の席のとある男女のお話。


女は会う度に綺麗になっている。大人数のテーブルの中で隣に座った男に「あの頃はねぇ○○を好きだったんだよ．．．」と男に話し掛ける。７年前もそうだった。２０年前もそうだった。


なぜ、女は未だにそんな話をするのだろうか？男は「なぜ、またその話を？ただの昔話だろ？」と不思議に思いながら慎重に会話を運ばせる。

．．．するとそれに気が付いた外野がヤイのヤイのと「ひやかし」ならぬ御注文をしてくる。

その外野の異様な盛り上がりを見て男はおとなしくなってしまう。２０年前、７～８年前もそうだった。まんざらでもないんだろ？だったら．．．


優柔不断などうしようもない男。


女はめんどくさそうに会話をやめてしまう。「もういいよ。どうせ若い娘が良いんでしょ（冷笑）」




．．．とある男女の話はこれでおしまい。